でん粉の構造

でん粉にはうるち種ともち種(ワキシー種)が存在しています。
このうるち、もちという言葉はみなさんうるち米、もち米という言葉で聞いたことがあるのではないでしょうか。
左の写真はうるち種ともち種のコーンスターチが並んでいますが、
見た目では区別することができません。
しかし、ヨウ素液を使うことで簡単に識別することができます。

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左の写真を見てみると色の染まり方に違いがあります。
うるち種のでん粉はヨウ素で青~紫色に染まりますが、
もち種のでん粉はヨウ素で青く染色しません。
よって
左の試験管にはうるち種の、右の試験管にはもち種のでん粉が入っていることが分かります。
では、何故ヨウ素での染まり方に違いが出たのか少し詳しくでん粉の構造についてお話したいと思います。
でん粉はアミロースとアミロペクチンの
2種類の成分で構成されます。
◯ グルコース分子
アミロースとアミロペクチンは全く違う特性を示します。
うるち種の澱粉はアミロースとアミロペクチンで構成されています。
一方でもち種の澱粉はアミロペクチンのみで構成されています。
ヨウ素はアミロースを青紫色に染色し、アミロペクチンを赤紫色に染色するため、うるち種ともち種で染まり方に違いが見られたのです。
うるち種のでん粉のアミロース、アミロペクチンの比率は植物種によって異なるため、でん粉の特徴も大きく変わります。